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Yule-Simon 過程によるソーシャルタギングのモデル化

Delicious やFlickr、Twitterなどのソーシャルメディアサービスでは、ユーザがタグと呼ばれる任意の文字列を付与することによってコンテンツの管理を行うソーシャルタギングシステムが採用されている。ソーシャルタギングシステムを対象とした研究は様々に行われている。たとえばGolder は「Polya urn(壺モデル)」によるタグをモデル化し、過去に使われた回数の多いタグほど選ばれやすいという優先的選択性が働いていることを示した。また,Catutto らは既存のタグの選択に優先的選択性が働くことだけでなく、新しいタグの増加傾向がベキ則に従うことを示した。このように新しいタグがどのように生み出されるか、あるいは、それぞれのタグがどのように使用されていくかはソーシャルタギングシステムを理解する上で重要な問いである。これらの問いを1 つの数理モデルとして記述できるモデルとしてYule-Simon 過程がある。Yule-Simon 過程は古典的な数理モデルの一つであり、新しいタグの増える割合を一定と仮定して、そうでなければ既存のタグを選択する、というルールに従う。Yule-Simon 過程は実際のソーシャルタギングシステムにおける全体的な振る舞いに関してはうまく記述することが可能であることが知られている。本研究では、個々のタグの振る舞いに注目すると、実際のデータからはYule-Simon 過程では捉えきれない大きさの逸脱をもつタグが多く存在することがわかった。本研究では実データにおけるYule-Simon 過程からの逸脱の大きさを確認し、より実テータをモデル化することができるYule-Simon 過程を拡張したモデルを提案し比較する。

Publications

Yasuhiro Hashimoto, Mizuki Oka, and Takashi Ikegami, Anomalous popularity growth in social tagging dynamics, CoRR abs/1711.02980, 2017

Yasuhiro Hashimoto, Mizuki Oka, and Takashi Ikegami, Large fluctuation in social tagging ecosystems, International Conference on Computational Social Science (IC2S2 2017), 2017.

佐藤晃矢, 岡瑞起, 橋本康弘, 加藤和彦: Yule-Simon過程によるタグ共起ダイナミクスのモデル化と分析, 2015年度人工知能学会全国大会, 2015.

佐藤晃矢, 岡瑞起, 橋本康弘, 加藤和彦:Yule-Simon過程によるタグ共起ダイナミクスのモデル化と分析, 人工知能学会論文誌, Vol.30(5), pp.667-674, 2015.